高松先生に直接訊いてみました! <回答篇>

2012/04/24

「成長とホルモンのお話し」特別企画
高松先生に直接訊いてみました! 女性ホルモンのお話し


「成長とホルモンのお話し」をお読みいただいた皆さんから
多くのご質問をお寄せいただき、有り難うございます。
早速、皆さんからのご質問を
高松潔先生(東京歯科大学市川総合病院 産婦人科教授)に
お答えいただきました。
また、3月19日のRKB毎日放送ラジオに高松先生がご出演して、
女性とホルモンに関するさまざまなご質問にお答えしましたので、
こちらも併せて掲載いたします。
お子さまの性徴やおかあさん方の体調に関するご相談も多く、
代表的なものを抜粋させていただきましたので、
ぜひ皆さんにご参考いただければと思います。


質問一覧
Q. 中学3年まで生理がありませんでした。
Q. 生理のときに吐き気がします。
Q. 娘の生理が止まりがちです。
Q. めまいや倒れたりすることがあります。
Q. 更年期障害でしょうか?
Q. 子宮内膜症のその後が心配です。


Q. 中学3年まで生理がありませんでした。

私は先週中学を卒業しました。4月からは高校生になります。
で、実はまだ一度も生理がありませんでした。
早い友達は小学校高学年くらいにはありますよね。
そんな私も昨日すごいお腹が痛くなり生理がきました。
嬉しいようで、不安です。今もお腹痛いです。どうしたらいいですか?

A
日本人の初潮年齢の平均は12.4歳ぐらいとされています。
15歳以上18歳未満に初潮が来た場合、
遅発月経と呼ばれ、少し遅めと考えます。
18歳になっても初潮が来ない場合は原発性無月経として、検査をお勧めしています。
あなたの場合はおそらく15歳になるかならないかでしょうし、
月経が来たわけですから、心配ないと思います。
初めての痛みで不安だと思います。必ず痛みはよくなりますが、
お母さんと相談して、痛み止めを飲んでみると良いでしょう。
それでも痛みが治まらなければお医者さんに相談してみましょう。
痛みを抑える方法はたくさんありますから、
あなたに合った方法を選んでくれると思います。

Q. 生理のときに吐き気がします。

17歳の娘のことですが、生理の時に吐き気がすごく、
実際もどしています。食事もとれず、水分も思うようにとれません。
一日寝たきりになります。なぜでしょうか?

A
月経のときには子宮の収縮や子宮内膜の剥離に伴い、
痛みを誘発する物質が出てきます。
これが頭痛や吐き気を促している可能性があると思います。
また、痛みに対する恐怖でも不安感や吐き気を訴える場合があります。
今は月経痛や月経時の不快な症状に対して良い方法があるので、
婦人科の先生と相談してみてはいかがでしょうか?

Q. 娘の生理が止まりがちです。

受験生の娘のことですが、生理が止まりがちで悩んでいます。
3ヶ月も来ない時もあります。
受験のストレスのせいかと思うのですが、
産婦人科に行くべきか、そのままにしておいていいのか教えてください。

A
ストレスと月経の関係はとても深いのです。
実は、月経は簡単に起こっているわけではなく、
頭の中にある視床下部・下垂体・卵巣・子宮それぞれがホルモンで結ばれて、
微妙な調整をして月経が起こるのです。
ですから、そこにストレスがかかるとバランスがちょっと崩れる、
するとすぐ月経が止まるということがあります。
特に若い方はこういった調整機能がまだ未熟だったりするので、
止まってしまうことは少なくありません。
何が原因かを突き止めて、的確な治療をするためにも、
基礎体温をつけて排卵周期を確認してから婦人科にご相談することをおすすめします。


知ってほしいこと:基礎体温
基礎体温は朝起きた時の体温ですが、
これを計ることで排卵の前なのか後なのかということが分かり、
自分の体調を管理する上でも重要な情報となります。
試験やスポーツの時に自分のコンディションを知ることもできますし、
万一、婦人科に相談するような症状があった時でも、
基礎体温のデータがあれば医師は早く的確な診断をすることができます。
女性が健康で快適に過ごすために、基礎体温をつける習慣は大切だと思います。


Q. めまいや倒れたりすることがあります。

子どもの頃、学校の朝礼や映画館で何度か意識がなくなり倒れたことがあり、
大人になっても、デパートや職場で気分が悪くなり医務室に運ばれたことがあります。
意識がなくなることと関係あるかどうかわかりませんが、
椅子や床に座っていて急に立ち上がるとよくめまいがします。
血圧や血液検査は特に異常ありませんし、
てんかんなどの既往症もありません。
原因は何が考えられるのでしょうか?治療法はありますか?
日常生活で気をつけたほうがよいことなどありましたら教えていただきたいのです。
よろしくお願いします。

A
立ち上がるとめまいがするのは、貧血がなければ、
起立性低血圧といって、急な体位の変化により血圧が下がり、
ふらつきやめまいが起こる状態ではないでしょうか?
体位の変化に伴って起こる血圧のコントロールが
うまくできない体質の人はこの方のようなことが起こることが多いようです。
立ちくらみを防ぐにはそのような状態が起こりやすいということを
自覚して生活することが第一ですが、
低血圧症の治療をすることで改善することもあります。
まれに背景に重大な病気が潜んでいることもありますので、
一度内科で精査してもらった方がよいと思います。

Q. 更年期障害でしょうか?

私は37歳、主人と子ども2人の4人家族です。
数年前から、生理の期間がそれまでは1週間ほどあっていたのが3日くらいで終わるようになり、
始めと終わりに黒いものが出るようになりました。
それと同時期くらいから、ときどき動悸がしたり、
生理の10日くらい前からイライラしたり、
気分がひどく落ち込んで仕事も何にもしたくなくなったり、
人ともうまく話せない状態に陥ってしまいます。
これは、うつ病なのかな!?と思ってしまうくらいです。
友人のすすめで半年程前に内科を受診し、
心臓を調べてもらいましたが異常はなく、更年期のはしりだと診断されました。
だけど解決策もなく、自分でどう対処すればよいのか分からず、
こんな状態がずっと続くのかと思うとツラいです。
これは一体何が原因で、どうすればいいのか教えてください。
どうぞよろしくお願いいたします。

A
加齢に伴い、多くの女性が月経の変化を感じるようです。
子宮筋腫などができると月経の量が多くなり、
貧血になるため治療が必要になることもあります。
逆に月経の量が少なかったり、期間が短かったりする場合には
子宮腔の癒着や無排卵周期なども原因として考えられますが、
基本的には経過観察でよい場合がほとんどです。
年齢的に更年期とは考えにくいですし、
元々「更年期のはしり」などというものはありません。
精神的な症状は月経の変化とは関係ないことのように思えます。
月経前のイライラ感は月経前症候群(PMS)かもしれません。
あるいはこころに過剰な負担がかかっているのかもしれません。
何かストレスとなっていることはないでしょうか?
一度婦人科で相談してみるとよいと思います。

Q. 子宮内膜症のその後が心配です。

20代の頃、子宮内膜症と診断され、治療をしました。
治療中アルコールはダメ、走るのもダメ、
下腹に力を入れるような重たい物を持つのもダメ、
海やプール、温泉もダメだと言われました...。
が、最近体重が増加して、ダイエットに運動をしたいのですが、
ジョギングや腹筋などをして
子宮内膜症が重くなると言うことがあるのでしょうか?
まだ海やプール、温泉は入れないのでしょうか?
子宮内膜症は完治する事はないと聞いたので、
またあの辛い症状になるのが怖くて...。
ちなみに、治療が終了してから12年...結婚して子供も二人産みました。
今は生理初日に薬を飲む位です。

A
若い頃の子宮内膜症の状況とそのときに行った治療が
どのようなものか不明ですので、どうして禁止されたのか分かりませんが、
ダイエット、ジョギング、腹筋で子宮内膜症が進行するということはないと思います。
どんどんやってください。プールや温泉も問題ないです。