子どもたちのこと~<明日も会いたい>~

2013/10/02

大学を卒業してから、日本では多くの時間を小学校教師として
過ごしていました。
付き合えば付き合うほど、子どもって
面白くて かわいくて 愛しくて たまらないなって思います。
これまでに担任した子で、好きにならなかった子は一人もいない。



<明日も会いたい>

だけど、好きになるのに少し時間がかかったこともあります。
特に教師になって1年目の1学期は、
なかなかうまくいかないことも多く
毎日泣いてばかりでした。
子どもたちとの付き合いかたも、
明日何をすればいいのかもわからず、
途方にくれました。

そんな1年目でしたが、
「これだけは!」と、決めていたことがあります。
それは「子どもと一緒にいる」ということです。

授業や給食の時間だけでなく、
朝の時間、掃除の時間、休み時間。
教室や運動場で、できる限りの時間を
子どもたちと一緒に過ごそうと努力しました。
そんな中で、授業中には見ることのできない
子どもの姿に出会いました。
ちっとも言うこと聞かないやんちゃ坊主が、
一人で寂しそうにしている子を誘って
運動場に飛び出していく姿に出会いました。
恥ずかしがり屋でなかなか発表できない子が、
何度失敗しても諦めずに竹馬の練習をする姿に出会いました。
しっかり背筋を伸ばして、真面目に授業に取り組む子が、
にやにやしながらいたずらしている姿に出会いました。

子どもたちのことを知れば知るほど、
面白くてかわいくて。
いつしか私は、もしかしたら、
子どもたちのことが好きかもしれない
と思うようになりました。
それは、恋をするときの気持ちと似ています。
好きかもしれない、でも、
好きになったらいけないような気持ちです。
好きになったら辛いことがあるかもしれなくて、
好きになるのが怖いような気持ちです。
でも、ためだと思えば思うほど好きになっていくような、
そんな気持ちです。


気が付くと私は、わくわくするようになっていました。
明日もみんなに会えること。





「宇宙船地球号に乗って」仁波典子著より