最近話題の風疹について

2015/01/27

こんにちは。
今年は風疹が非常に流行していますね。
5月までの患者数は全国で5000人を超えていて
すでに昨年の2倍以上になっています。

児童・生徒の保護者の年代を中心にした流行ですので、
多くの方が心配されたのではないでしょうか。
そこで、今回は風疹について少し詳しくお話しします。


1.風疹とは?


風疹とは、風疹ウイルス感染によっておこる発疹性疾患で、

くしゃみや咳などの飛沫感染で流行します。

特に感染力が強いのは、発疹が出る2-3日前から、

発疹が出始めたあと5日くらいまでと言われています。

主な対処法としてはワクチンで予防することです。

ワクチン接種で95%以上の予防効果があることが知られています。

1995年より開始されたMR(麻疹―風疹)ワクチンの登場で

全国的な流行は見られなくなっていました。


2.風疹の危険性について


風疹の症状は、微熱、リンパ腺の腫れ、淡い紅色の発疹に

のどや関節の痛みなど、軽度の風邪とよく似ています。

重症化することも少なく、おおよそ1週間程度で回復しますが

妊婦が感染した場合は高確率で胎内感染をしてしまいます。

特に、妊娠11週以前では感染率がほぼ100%、

12-16週でも約50%と非常に高い確率で感染します。

胎内感染での感染は「先天性風疹症候群」と言って

心臓、耳、目などにいろいろな組み合わせで

障害を持って生まれてきてしまう可能性があります。

最近の流行の中心は20代~40代後半の妊娠する人が多い世代です。

この世代は子どもの頃に予防接種が義務化されていなかったので

予防接種を受けていない人が多く、予防接種が呼びかけられています。


3.風疹に関してよくある質問


●一度風疹にかかったら予防接種はしなくていいか?

風疹にかかったかどうかは、きちんと診断されているかどうかが問題になります。

風疹の発疹が出ているときと、治ってから2週間後にもう一度、

合計2回採血し抗体の上昇を確認する必要がありますが、

ほとんどの方はされていないと思います。

また、風疹と同じような発疹をだす病気も多いため、

誤って風疹の診断がついていることがあります。

そのため、なるべくワクチンの接種を勧めています。


●麻疹風疹ワクチンを打ってないと留学できないって、ほんとうですか。

本当です。

一般にアメリカでは、日本は麻疹・風疹の流行国と判断されています。

ほとんどの州で、予防接種の完了していない人の学校敷地内への立ち入りが

禁止されています。現地での予防接種を受けることは大変ですので

きちんと接種して留学しましょう。


●風疹の流行時期に摂取しても大丈夫?

大丈夫です。

家族に風疹患者がいても、

本人が接種不適当者に該当していなければ問題はありません。

ただし、潜伏期にワクチンを受けても、

ワクチンの効果が表れる前に発症してしまうことがあります。

流行が始まったときはなるべく早めに接種することをお勧めします。


●家族に妊娠5か月以内の妊婦がいる場合、MRワクチンを受けても大丈夫?

大丈夫です。

風疹ワクチン接種後3週間以内に、

のどから一過性にワクチンウイルスが検出されることがありますが、

このワクチンウイルスは周囲の方にうつることはありませんので

安心して接種してください。


●妊娠出産年齢の女性にMRワクチンを接種してもいいのでしょうか?

妊娠していなければ大丈夫です。

妊娠していない時期に接種し、接種後2か月は避妊するように

注意する必要があります。

妊娠初期にワクチンを誤って接種して

先天性風疹症候群にかかった報告はありませんが、

リスクを回避する意味で妊娠していない時期に接種してください。

ただし、万が一妊娠が分からない時期に接種してしまっても、

そのリスクの低さから妊娠の中絶をする必要はないと言われています。

主治医とよく相談してください。


●抗体があるのに、接種してしまった。

問題はありません。

抗体が低い場合は、むしろブースター効果と言って、

十分に抗体を押し上げることができ、より感染を予防できます。




風疹の予防には何と言ってもワクチンです。

地域によっては助成金が出るところもありますので

まだ、予防接種を受けていない方は

早めに受けるようにしてください。

今回お話ししたこと以外にも

気になることがあれば

私の分かる範囲でお答えしますので

こちらへお気軽にご質問ください。

それでは、また。