病院受診編

2015/01/21


こんにちは。

学校ではそろそろ新しいクラスや授業に

馴染んできたころだと思います。

さて、今回は学校内で発生した

ケガや病気への対処をお話しします。

ベテランの養護教諭にとってはなんでもないことでも、

経験の浅い教諭にとっては心細いもの。

そんな時こそ、学校医をうまく使ってほしいと思います。


1.病院受診のタイミング


けがと病気で多少の違いはありますが、

気になれば受診させてください。

私たちは「こんな軽い状態で連れてこられても...」

などと思うことはありません。

ぐずぐず迷って遅くなるくらいなら、

さっさと連れてきてほしいというのが本音です。

保険証は後から保護者に持ってきてもらえばそれでいいと思います。

持病があったり、ケガの危険がある部活は保護者と相談して

保険証のコピーを本人に持たせるだけでずいぶんスムースに事が運びます。


2.ケガによる受診


ケガの場合、

出血がひどければ迷わず受診でいいのですが、

意外と悩むのは打ち身や捻挫ではないかと思います。

私は内科医ですのであまり詳しくないのですが、

打撲や捻挫部位が腫れてきたり内出血があるときは

受診を勧めています。

また頭部の打撲は症状がなくてもなるべく受診されるのがいいでしょう。


3.アレルギー反応が出た時


最近よく話題になるのは、

食餌アレルギーなどのアレルギー疾患ではないでしょうか。

食餌アレルギーは、アレルギー反応の中でも強いものが多く、

食べてはいけないものを口にしてしまったときは

特に症状がなくても受診を勧めましょう。

急を要するのは、嘔気・嘔吐したとき。

のどがかゆくなったり、息苦しさを訴えたとき。

眼や唇が腫れてきたと訴えたら迷わず受診させていいでしょう。


4.喘息の発作


喘息の発作時は、ゼリゼリ、ヒューヒューと

呼吸が苦しそうにしていると周りも大変心配しますが、

本当の重症の喘息発作の時は、逆に音が静かになることがあります。

ゼリゼリ、ヒューヒューが聞こえなくても、

本人に息苦しいかどうか聞いてあげてください。

また、中高生で喘息の薬を自己中断していたり、

発作止めだけでコントロールしている場合に

思わぬ大発作をきたすことが多いので早めの対処をしましょう。


5.救急車を呼ぶ際のアドバイス


このタイミングは、

私たち学校医でも判断に迷う時がままあります。

迷ったら少しオーバーに対処するのが一番いいと思います。

意識がなかったり、激しく出血するような大けがなら誰でもわかりますが、

それ以外ははっきりしないのが実情です。

ですから迷ったらよんでください。

基本的には、意識がない、呼吸困難が強く顔面が蒼白だったり唇が紫色のとき、

激しい頭痛・腹痛などは呼んでください。

喘息やアレルギーも不安なときは救急搬送したほうがいいでしょう。




今回は病院受診をテーマにお話ししましたが、

学校医とのコミュニケーションで難しいところ、

こういうところで困ったなどがありましたら、

私の分かる範囲でお答えしますので、

こちらへお気軽にご質問ください。


それでは、また。