起立性調節障害について

2013/05/24

5月も終盤。
梅雨入りも間近となり
しばらくじめじめとした暑い日がつづきますね。
よく、全校朝礼の整列中に倒れてしまう子どもがいます。
昔は貧血と思われて、「朝食をしっかりと食べるように」などと
指導されていましたが、近年では「起立性調節障害」と呼ばれる病気が
原因となっていることも多いようです。
そこで、今回は「起立性調節障害」をテーマに
情報を集めてみました。

起立性調節障害は
思春期やストレスなどが原因で自立神経が乱れ、
身体の血圧の調節がうまくできなくなってしまう病気。
下半身の血液をうまく上半身に送れなくなるので、
脳血流や全身への血行が維持できなくなってしまい、
・起立時のめまい、気分不良や失神  ・軽い運動での動悸や息切れ
・倦怠感  ・頭痛  ・腹痛  ・食欲不振
などと言った症状を引き起こします。
身体を横にすると血流が回復し症状が緩和されるので、
ごろごろと横になる時間が多く、なかなか起き上がれないといった
特長が見られるようです。
対処方法としては、日常生活の中で、
・心拍数が120を超えない程度の軽い運動(ウォーキングやジョギング)
・起立時はいきなり立ち上がらずに30秒程度かけゆっくり立ち上がる
・弾性ストッキングなど血圧低下を防止する機器を利用する
・早寝早起きを心がける
・気温の高い場所を避ける
などのことに注意し、ゆっくり回復を待つことが有効とのこと。

その特徴から怠けぐせに見えてしまい、
生活指導を厳しくしてしまいがちですが、
過去には、厳しい対応をとられた患者が精神的な負担で
うつ病になってしまった事例も報告されています。
症状を悪化させず、早く治すためには、
身体の病気だということを周囲が理解し、
正しい対処をとることが大切です。

また、この病気は10歳から16歳で発症しやすく
大人になるにつれ改善されていくので
死に至るようことはないようですが、
もし、上記のような症状が見られた場合には、
脳脊髄液減少症小児慢性疲労症候群といった
疾患も考えられるのでご用心下さい。

リンク

長崎大学医学部~第 2 回小児心身医学勉強会~

起立性調節障害サポートグループ