「口呼吸と鼻呼吸」

2014/11/18

そろそろ風邪やインフルエンザが気になる季節。
とくに湿度や気温が急激に下がった時にかかりやすい風邪には、
生活習慣にもその原因があると言われています。
そのひとつが「口呼吸による喉の炎症」です。

口呼吸では鼻という加湿器兼フィルターを通さず、外気が直接肺に入ってくるため、
細菌やウイルスなど乾燥を好む病原体に感染しやすくなります。
また、鼻の内部には自己免疫のセンサーがあり、
細菌などの異物が進入した時には免疫を高め排除させるシステムがありますが、
口呼吸ではこのシステムも動作できません。
これによって免疫力も低下してしまうのです。

さらに、口呼吸は風邪だけでなく、
口の中が乾きやすくなることで唾液による口内の自浄作用が低下し、
むし歯や歯周病になりやすくなります。
特に、乳歯から永久歯への生え替わりの時期に当たる小学生にとっては、
口呼吸による影響は大きく、歯並びが悪くなる原因にもなります。

また、口呼吸だと舌の位置がノドの方に下がるため、
いびきをかきやすくなります。
さらに舌が下がると気道を塞ぎ無呼吸の状態となり(睡眠時無呼吸症候群)、
危険であると言われています。

では、自分の呼吸が口呼吸ではないのか?セルフチェックしてみましょう。

・朝起きた時に口の中が乾いている。また唇や喉がひりひりすることが結構ある。
・夜中に目が覚めた時に喉に痰がたまっている。また喉が渇いて水分が欲しくなる。
・口の中が粘ついて気持ちの悪いことがある。また口臭を感じることがある。
・集中したときなどに口が開いていることがある。
・口内炎ができやすい。
・風邪をひくときは喉の炎症が始まりになる。
この項目に該当する人は口呼吸を行っている可能性があります。

お子さんの場合は、
テレビを見ている時や遊んでいる時に口が開いていないか見てあげてください。

最近では、あいうべ体操という方法で口周りの筋肉を動かすことにより、
鼻呼吸へと改善する試みもいくつかの学校で実践されています。

また、子どもの口呼吸は習慣や鼻の構造だけでなく、
アデノイド肥大などの病気からくることも多いので、
その際はご注意ください。


リンク

東京予防歯科研究会 口呼吸は万病の元


保健教材ニュース 子どもの鼻水・鼻づまり


健康生活 風邪をひきやすい人は口呼吸が原因かも?


西日本新聞 風邪予防に「あいうべ体操」


厚生労働省 睡眠不足や睡眠障害、子どもへの大きな影響