行動を変えよう の続き

2017/06/26

こんにちは。

「行動を変えよう」の続きです。はじめて読んでいただく方は、1つ前のコラムから先に読んでください。

さて、前回、まずは「行動を変える」(先生視点で言えば、変えてもらう、変えさせるということになります。)ことから取組んでみては・・・という話をしました。
その際にちょっと気をつけた方がいいことの例を2つほどお話します。


今回はそのうちの1つ目です。

「5段階行動3から」
これは、私が勝手に名付けました(笑)

相談等に乗っている子と先生が関係づくりや動き出すきっかけをつくるときに、「行動を変えてみよう」と提案することになるわけですが、最終目的の「行動」につなげるための過程をしっかりシミュレーションすることが大切です。

最終目的の「行動」を5とするならば、そこにたどりつくまでを5段階に分けるのです。その内容を考えるのは、その子の性格や環境をよく知る先生の役目です。どうしたらいいか考えているうちにまたその子のことが理解できたり、逆に「さて?いざとなると実はあの子のことよくわかってない・・・マズい。」なんてことも見えてきたりするものです。

こんな風に考えるといいのです。

5段階行動

「5」目的とする行動       
「4」できてくれたらうれしいな  
「3」ちょっと頑張ればできる   
 ↑ この「3」からスタートすることを提案
「2」たぶんできる        
「1」必ずできる         

というのも、はじめから「5」を提案してできればいいですが、できなかったときにお互いショックです。子どもは自己嫌悪になります。またその時に先生がその次を考えていないとそこで関係終了すらありえます。なので私は「3」からスタートをおススメします。

「3」が続く。そして「習慣になる。」そのことを先生や保護者が評価してくれる。それが「自信になる。」そして「エネルギーがでてくる。」という感じです。まぁ、文章で書くほどそんな簡単にいくことではないことではありませんが・・・。

また、「3」ができない。となったときにも、先生は焦りません。そう、「2」や「1」を用意しているからです。用意がないと子どもが「先生、ムリだった~」と言ってきたときに、「そうか~、じゃあどうしようか?」と一瞬、困り顔になるんです。その顔を敏感な生徒は察知します。特に気持ちのやさしい子は「先生をがっかりさせちゃった・・・私のせいで。」と自分を責めてしまいます。用意があれば、「ムリさせちゃったね、ごめん、ごめん」と、できなかったことも含めて受け入れてあげられる顔ができるはずです。


いずれにしても、今までの生活の中で「変わった」ことを継続して「習慣」にすることが大切なのです。この話をすると、「具体的にどういう行動設定をすれば良いですか?」と聞かれることがよくあります。実に困ります(笑)同じような悩みを抱える子でも、アプローチの仕方はいろいろです。子どもの特徴がわからないとなんとも言えないのが本音です。

参考になるかわかりませんが、次の例を見てください。

「昼夜逆転をして欠席が続いている子に、1週間に1度くらい放課後保健室登校してみようという行動」を目指すとします。

「5」 週1の放課後登校。
「4」 行こうと思う日を伝える。または行こうと思ったけど休むことを連絡する。
「3」 行く準備はしてみる。制服は着てみる。
「2」 気が向いた時は朝(午前中)起きて、少しだけでも外に出る。
「1」 うまくいったこと、うまくいかなかったことをたまに先生に教える。

一見、悪くありません。ここに、その子によって変わるという要素を付け加えてあげるともっと行動がリアルになります。例えばその子がゲームにはまっているならば・・・「3」 気が向いた時は、前の晩にやったゲームについてのコメントや出来事を書いてから寝てみる。起きたら行く準備はしてみる。制服は着てみる。

「2」 気が向いた時は、朝(午前中)起きて、少し外に出てから、ご飯を食べ、それからゲームしてみる。いつもとスコア等が違うか検証してみる。
「1」 うまくいったこと、うまくいかなかったことをたまに先生に教える。

こうすることで、共通の話題も増えてより関係性が増してきます。いかがでしたか?
次回で「行動を変えよう」のテーマは最後となります。ちょっと気をつけた方がいいことの2つ目「親編」です。

それでは、また。


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