行動を変えよう 第3回目

2017/07/24

こんにちは。花澤です。

「行動を変えよう」の3回目です。はじめて読んでいただく方は、2つ前のコラムから先に読んでください。
1回目
2回目

さて、前回は、「行動を変える」指導をする際に気をつける点として、
「5段階行動3から」というテーマでお話しました。
今回は、気をつける点のもう1つ目「親編」です。


「ゴールを伝えよう」

「5段階行動3から」を実践しようとなったとき、私たち教員が気をつけなければならないことは、保護者の方には、中期的、長期的な目指すべき方向性をしっかり伝えておく必要があります。「行動」を変えていくには、根気強く、長期間に渡ることは想像つくと思います。指導方法は、いわゆる「スモールステップ」になるわけです。

悩んでいる生徒には、先のゴールを見据えさせると、先のことをあれこれ思い悩んだり、不安を増幅したりしてしまうのであまり効果的とは言えません。(もちろん人にもよりますが・・・。)ですので、「スモールステップ」で「できた」→「評価」→「できたを継続」→「また評価」→「自信回復」→「次のできた」→・・・・・となっていくことを目指していきます。しかし、保護者の方の心情はどうでしょう?

もし、教員側との意思疎通ができていないと、日々たいして変化のない(実は、少しずつの小さな変化があるのですが・・・)子どもの様子にイライラしたり、こんな状態をいつまで続けさせるのか、と教員不信につながってしまうことさえあります。
私も以前、せっかく子どもとの関係ができはじめてきて、これからというときに、「ガ~~ン」、「なんでそんなこと言っちゃうの、お母さ~ん」みたいなこともありました。それは、「ゴール」を伝えていなかったからです。

「今、・・・をしていることは、・・・のためのステップなんです。」
「1ヶ月後には(3ヵ月後には)、こうなっていって欲しいと考えている。」
「こうなったら、次は、こんな風に考えている。だから今は我慢のときなんです。」
という感じで「中期的なゴール」、「長期的なゴール」を保護者に伝え理解してもらうことが大切です。


「回復期の過度な期待をシャットアウト」

そして、もう1つ保護者に伝えておくべきこと。
それは、子どもが少しずつ回復してきたときに起こります。保護者の子どもへの過度な期待です。この過度な期待をしっかりシャットアウトする!保護者に我慢してもらうことです。特に、不登校になる前や精神疾患になる前には、優等生だったり、活発でなんでもできた子の保護者は要注意!です。
親の気持ちからすると、今まで元気がなかった我が子が元気を取り戻して笑顔が戻ってきたり、登校をはじめたりするとうれしくなって、ついつい「昔の○○ちゃんに戻ってきた」とか「今度は・・・できるね」とか言い出してしまうんです。

これが、子どもにはつらい。"昔の○○ちゃん"これダメですよね。最近の○○ちゃんは否定されちゃっています。また、子どもも今まで迷惑をかけてしまっているということは感じていますので回復してきた姿を親が喜んでいることはうれしく思っています。次を言われればそれに応えようと頑張ります。やさしい子であればなおさらです。ですが、ギリギリいっぱいの状態で頑張っている子にとっては、やがて親の要求が恐怖になってしまい、再び「殻に閉じこもる」という防衛につながることさえあります。

「恋は盲目」という言葉がありますが、親の愛も同じ、いやそれ以上ですね。我が子の姿につい「盲目」になってしまうのです。
ですから、その子の心理状態や性格を把握している私たち教員が、親からの「愛のプレッシャー」がかかっていないか?探ったり、「愛のプレッシャー」をかけないように保護者に「プレッシャー」をかけたり(笑)する必要がありますね。

「行動を変えよう」というテーマでお話してきましたが、いかがでしたか?
1つのテーマでも、教員目線、子ども目線、親目線、いろいろな心理が働いています。多角的に捉えられる目があるといいですね。とか言う私も・・・まだまだです。共にがんばりましょう!

それでは、また。


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